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Description du projet :

Uniquement la traduction des caractères japonais.

本書は,ヨーロッパの言語教育ではすでにおなじみの「道具」(outils)となっている, 『ヨーロッパ共通参照枠』(Cadre européen commun de référence pour les langues, 以下 CECR)と『ヨーロッパ言語ポートフォリオ』(Portfolio européen des langues,


以下 PEL)の活用について述べたものでる。本書の冒頭ではまずこれらの紹介がなさ れている。本稿の多くの読者にとっては既知のことであると思われるが改めて整理し ておくことにする。

CECR は,1993 年から 2000 年にかけて欧州評議会(Conseil de l’Europe)で編纂さ れ,2001 年に公式に採用された。その目的は,言語教育のあり方と評価についてそれ 


らを明確にすること,フランス語であろうと,ドイツ語であろうといかなる言語の教 育においても通用するものにすることである。ただし,これは特定の教育の方法を押 し付けるものではなく,それぞれが置かれた教育の背景に応じて自分たちがするべき ことについて選択が可能になっている。というわけで,CECR には,(1) 教育の環境 と教育を最も効果的にする選択を分析,記述するための方法,(2) ともすれば言語や 教育環境によって解釈が異なる専門用語について共通の理解,(3) 学習目的の修正や 学習の評価の助けとなる言語能力のレベルについての共通参照枠が提示されている。 PEL は,CECR と同様に 2001 年に公式に発表された。CECR がどちらかといえば 教師あるいは教育機関の側が利用するものであるのに対し,PEL は学習者が所有する ものである。PEL の利用により,学習者のこれまでの学習歴,言語使用歴を分析する こと,言語学習における自律を促すこと,真の複言語使用に向けた前進が可能になる とされている。PEL は自分が理解している,あるいはこれまで学習してきた言語のレ ベルに関する情報を書き留める Passport,学習についての反省や自己評価を容易にす るための Biographie,レベルや学習歴を証明するものを集める Dossier によって構成 されている。


冒頭での CECR,PEL についての概説に引き続き,2部構成で話が進められる。第 1部は,教材,教育過程を記述,分析するための道具としての CECR,PEL について, 第2部は,言語を教え,学習者の自律を促すための道具としての CECR,PEL につい て述べられている。 第1部は3つの章に分かれており,第1章では言語教育・学習に関わる要素を大き く3つに分けて(コンテクスト,能力,言語活動とタスク)それぞれについての定 義,概説がなされている。コンテクストとしては,学習者が言語を使用する分野,場 所,テーマを取り上げ,それらとタスクとの関係を示している。能力については,一 般的能力(compétences générales individuelles)とコミュニケーションに関する能力


(compétence communicative)に分類し,それぞれを構成する要素を整理し,それら がコミュニカティブなタスクを介して言語活動を可能にしているという位置づけを 行っている。タスクに関しては,それを遂行するなかで関わっていく要素(外的な補助, ストラテジー,制約など)を示している。 これを踏まえて第2章では,タスクを中心として各要素の位置関係を図式化し,そ の上で実際に使用されている教材を例として取り上げ,そのなかで提示されているタ スクがこれらの要素のうちの何に焦点を当てたものであるかについての分析を行って いる。


第3章では能力について扱われている。CECR,PEL では A1 から C2 までの各レベ ルにおける,読む,話す,書く,それぞれの言語技能についての能力が示されている が,筆者はそこから2つの情報を導き出せるとしている。一例としてここでは聴解を 取り上げておく。A1 で求められる聴解の能力は,相手がゆっくりと,かつ明瞭に話 せば,自分自身,家族,具体的または直示的なことに関するなじみのある単語,頻出 の表現を理解できることとされている。ここから導きだされる2つの情報というのは, 一つはテクストの性質と扱うテーマについて,もう一つはタスク遂行のなかで求めら


れる結果についてであり,A1 について言えば,前者は,対話者自身またはその家族, あるいは具体的な状況に関してゆっくりと明瞭に話されている陳述を聞くこと,後者 はなじみのある単語,頻出の表現を理解することとされている。これは教材や教育内 容の分析というよりもむしろ,こういった作業を通じて授業で扱う内容と授業の形態 を明確にするといった第2部にもつながる話といえる。 さてその第2部であるが,第1部と同様に3章に分かれており,まず第1章では, 授業を進めていく上での CECR,PEL の利用について述べられている。ここでは,(1) クラス間あるいは教育課程間(初等教育と中等教育の間など)で連続性を持たせるこ と,同じ能力に焦点を当てた教育であっても形を変えた教え方をすることなどを考慮 に入れて,第1部で示したタスクのシェーマのなかの要素に優先順位をつけること, (2) タスクを介して実施する言語活動をはっきりとさせること,(3) そして学習者に タスクの適切さを認識させることや「私は~ができる」という PEL における記述内 容と教室での活動につながりを持たせることを考慮に入れて教育の道筋を示すことと いったことが強調されている。 2章では,能力をどのように評価するかについて述べられており,CECR を基準に したテストの作成,あるテストのパフォーマンスを CECR の基準を物差しにして評価 をするといった方法が取り上げられている。さらに,CECR で示されている能力のレ ベルと学校で与えられるいわゆる評定との違い,学習者がどの時点であるレベルに達 したと判断できるかについての考察がなされている。 最後に3章では複言語使用を促すための PEL について述べられている。周知の通り, ヨーロッパでは母語以外の言語を2つ以上学習することが義務づけられている。複言 語使用を促進するために教師は,自分が教えている言語以外に学習者が学習している もう一つの言語のことも考慮に入れるべきであるというのが本書の主張である。つま り「私は~できる」という PEL で記述されている内容がそれぞれの言語において同 時期に行われるのが望ましいということである。そして PEL における提示の仕方に も個別言語ごとである技能について記述するのではなく(例:フランス語において読 解は B2,聴解は B1,・・・,ドイツ語において読解は B1,聴解は・・・),技能ごと に各言語について記述する(読解においてフランス語は B2,ドイツ語は B1,聴解に おいて・・・)といったことが工夫のひとつとしてあげられている。 以上が本書の概要である。本書でもそれが随所に示されているが,CECR や PEL は非常に洗練されたものである。したがって日本における外国語教育にも導入すべき だという主張があっても自然なことではある。しかし,そのままの形での導入という のには疑問符がつく。というのも,これらが作成された背景にもなっている外国語教 育に対する考え方,位置づけがヨーロッパと日本では大きく異なるからである。ヨー ロッパでは,「コミュケーションの促進」ということが打ち出されているが,果たし て日本の外国語教育においてそれが明確に打ち出されているだろうか。仮にそうであ るとしても,国同士が隣接し人々が比較的容易に行き交うようなヨーロッパ人同士の コミュニケーションと,次第にその距離は縮まりつつあるものの,遠く離れた日本人 とヨーロッパ人とのコミュニケーションが果たして同じ性質のものであるだろうか。


こうしたものを導入あるいは新たに考え出そうとするのであれば,まずこうした根本 の部分から議論していかなくてはならないだろう。しかしながら,本書で示されてい るように,明確な言語教育の目的を出発点とし,関係する要素を洗い出し,それらの 定義や位置関係を明確にし,教育内容を吟味していくというプロセス自体は,そうし た背景如何に関わらず大いに参考になると考えられる